決別

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日に日に寒くなってきました。
もうすぐこの町ともお別れだと思うと、なんだか寂しい気持ちになります。

この町に越してきたのは、息子が生まれる一年前なので、約18年、住んだことになります。

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慣れ親しんだ私の第二の故郷といってもいいくらい、愛着はありますが、 去ることを決めたのだから、あとは前に進むのみです。 この町にいると、元わが家の近所の方にも、よく会ってしまいます。

隣の家の奥さんとは同年代だったので仲良くしていました。
隣の奥さんは、43歳で未亡人になりました。

ご主人、大晦日の晩に急死したのです。
あれから、10年たち、今年再婚したと聞きました。

私の職場によく買い物にきます。

今度お茶のもうね、なんて言いながらも、未だに実現されていません。

夫が迷惑かけたら・・・
夫に何かあったら・・・

連絡してねと連絡先と、現在の住所は教えてあります。

先日は「奥さんもさっさと別れて、いい人みつけなさいよ、」
なんて肩をたたかれました。

さっさと別れることができたらどんなにいいでしょう。

人様にはわからないことです。

隣の奥さんや、近所の方たちには、黙って去ろうと思っています。 今度こそ、絶対に、夫に居場所を知られないようにしたい、 絶対にばれないようにしたいからです。

ここに住んでいるのが、ばれたのは郵便やさんのミスでした。

転送をお願いしていたのですが、
転送先の住所をはった手紙を、元わが家に投函してしまったのです。

その時の夫のほくそ笑む夫の顔が、目に浮かぶようです。

「おまえたち、どこにいるかわかっているからな
逃がさないぞ!」

そう言い脅されたっけ・・・

今は、怖くもないし恐れもないです。 でも、今度こそ本当に決別したいのです。

ご訪問くださりありがとうございました。

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