帰宅後、コーヒーではなく、温かいコーンスープを飲みました。
身体が温まりました。
私の実家は東京の池袋でした。
サンシャイン60の麓?で生まれ育ったのですが、本当に古い家屋。
商店街の一角にあり、小さいころはよく近所の子供たちと遊んでいました。
近くには駄菓子屋さんがあって、小銭を握りしめてよくお菓子を買いにいったものです。
古き良き時代、昭和を時々思い出します。
そんな実家は、もう跡形もなくありません。
都市開発で立ち退きになったからです。
その後、兄と父が共同で建てた二世帯住宅も、もう跡形もなくありません。
ローンが払えなくなり、手放しました。
兄夫婦は、現在貸家に住んでいます。
妹夫婦は、ずっとマンション住まいです。
私の場合、結婚当初は新築アパートに住んでいましたが、義父の他界により、夫の実家に住むことになりました。
自分の実家と同じように、こちらも古い家屋でした。
壁は、昔流行った砂壁、いつも廊下はボロボロと砂が落ちていて、一戸建てというと聞こえはいいけれど、断捨離できない一家のゴミ屋敷のようでした。
ずっとずっとマンションに住みたいと思っていました。
憧れのようなものです。
夫に暴言をはかれても、暴力をふるわれても、布団の中で、いつもマンションに住みたいって思い描いていたのです。
いつかは海の見えるマンションに住みたい。
ベランダからは花火が見えて、夏にはそこで涼む。
そんな情景を妄想しながら、夢見ていました。
マンションに住みたいという夢が60歳で叶いました。
現実は17㎡の小さなワンルームでしたが。
ベランダから見えるのは、海ではなく木々の緑と青い空。
こんな狭い部屋でも、私は充分満足しています。
小さな夢でしたが、ずぅっとずっと思い描いていれば、夢というのはかなうものなんだって、思っています。
いろんな年代の男女が住んでいます。
若い男性も、女性も、マンション内ですれ違えば、おはようございますと挨拶をしてくれます。
このマンションに住んでいる人たちって、みんなおひとり様なんだと思ったら、一人なのは私だけではないって妙に安心してしまいました。
老後の夢、日本をあちこち旅したいと思っていたけれど、もう無理かもと思う。
お金も時間も体力もないから。
長い間の夢であったマンションで一人暮らしが叶ったことで、充分満足です。