父親に会いに行く

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息子は最近、前のワンルームアパートに戻りたいと言います。

前のワンルームアパートより、今の2DKの方が全然快適なはず。

なんでだろうとずっと思っていました。

前のアパートは、元わが家から徒歩15分の所にありました。

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居場所がばれてから、息子はたびたび父親に呼ばれて会いに行きました。

家の手伝いをしてお小遣いをもらったり、キャッチボールをしたり、たまには泊まってくることもありました。

私が、夫を赦せなくても、息子にとっては父親だったのです。
息子は父親を憎んでいません。

たびたびの暴力は、しつけだったと思っているようです。

こんなことを思い出し、父親に会いたいのだろうか、父親の元に帰りたいのだろうかとふと思いました。

お父さんに会いたいんじゃないの?

思い切って聞いてみました。

この前、父親に会いに行ったと息子は白状しました。

会ったというよりも、遠くから元わが家を見に行ったそうです。
そこに父親の姿を発見し、逃げるようにして帰ってきたとか・・・

親父、元気だった。
元気そうだったという返事から、息子は父親が元気にしているかを見に行ったのだと思いました。

お父さんの所へ、一緒に帰ろうと、前はよく言っていました。

でも最近、言わなくなっていました。

もしかしたら4人で暮らしていた幸せな時代に戻りたいと思っていたのかもしれません。

でも、それは絶対に不可能であることも知ったと思います。

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