数年前に姿を消した、パート仲間のN子のことを時々思い出します。
パート仲間に借金をしまくり消えたN子
スッゴい美人、でもわけありの薄幸の美人という感じでした。
最初は、誰とも話さずいつも一人でポツンとしていたのです
私は、休憩時間が同じということで、話すようになり、その内、身の上話を聞かされるようになりました。
離婚して大学生の息子を女手一つで、育ていることを知りました。
母子家庭、私と同じ立場だったのです。
いつも顔色も悪くひどく疲れているようでした。
だけど、稼がないといけないからとかなりの長時間レジに入っていました。
東京にいる息子へ仕送りを送るためでした。
同じ母子家庭だとしり、連絡先を聞かれるままに教えてしまったのです。
その内、体の具合が悪いと休みがちになり、休んだ日に、携帯に電話をかけてきました。
お金が全くない、申し訳ないけどお金を貸して欲しいという内容でした。
給料前で、私も手持ちがなく、その時は断ったのです。
第一、私も生活が苦しく、他人様にお金を貸せる状況ではありませんでした。
お金貸してのお願い電話は、私だけではなく数人の人にしていたみたいです。
住んでる場所を教えてしまった人は、なんとお金を貸してくださいと、家にまで押しかけてきたとか。
N子が、パート仲間にお金を借りまくっている要注意という噂が流れ、その話は上司も知ることになりました。
ある朝、朝礼で警告がありました。
従業員同士のお金の貸し借りは禁止です。それは以前も忠告しましたが、絶対にしないようにと…。
その頃からN子は、長期休みに入り、連絡が取れなくなりました。
青くなったパート仲間は数人いました。
お金を貸していたからです。
一番多い人は、50000円、あとは10000円とか5000円とか、ちなみに私は1000円貸してしまいました。
貸したお金は全ての人に、帰って来ませんでした。
携帯も通じず、家に訪ねてもいません。
そしてドロンです。
店長いわく貸す方も悪いと…。
計画的犯行だったのではと言ってました。
でも本当に薄幸の美女の哀れな身の上話が上手で、みんな同情しちゃったんだと思います。
結局、パート仲間にお金を返すこともなく、N子はどこかへ消えてしまいました。
世の中、本当にいろんな人がいます。
自分の苦しみを自分で解決することなく、こうやって他人を巻き込んでしまう人。
同僚からだまし取ったお金を、実際に息子さんに送金していたかもわかりません。