帰る実家がなくなるって寂しいこと

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友達二人に、私と息子が引っ越すことを伝えました。
友達は親子で引っ越すと思ったらしい。

びっくりしていました。
そこに残るの?と二人とも同じことを聞いてきました。

違う、私もワンルームに引っ越す、一家離散だよと冗談まじりに話す。

帰る実家がなくなるじゃない!と二人はいいました。

子供が帰ってくる時のために、そこに残るのかと思ったと。
確かに私がここで一人で暮らせば、部屋は一つ空いているのでいつでも帰ってくることができます。

二人の子供ための実家がなくなる。
その通りです、帰る場所がなくなっちゃうんですよね。

私自身も帰る実家がありません。
両親が住んでいた実家はもうずいぶん前に取り壊されてしまいました。
特別養護老人ホームに入居した母も帰る場所はないし。

帰る実家がないって寂しいことです。

夕飯時、息子に聞いてみました。

「帰る場所がなくなっちゃうよ、お母さんここに残った方がいい?」

「別に大丈夫、ここはカビが多いから引っ越すべき、俺帰ってくるよ」という。

「帰ってきたってお母さんのワンルームには泊まれないよ」
それでも日帰りで帰ってくると言ってくれました。

娘は娘で孫を連れて、いつかワンルームに泊まりにいくと言っているし。
三人で泊まれないと思う。

なんだか申し訳ない気持ちになりました。

帰る実家をなくしてしまうからです。

だからといって、ここに一人で住むのは広すぎる。
ガランとあいた息子の部屋を見るのは耐えられないかもしれない。

カビと虫たちにさよならできるのはうれしいけれど、ちょっとつらい引っ越しになりそうです。

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