母をゆるせない、ずっと抱えてきたこの重い気持ちを手放すことにしました。
母は自由奔放に生きてきた。
育児放棄してたかもと思うくらいに、私と妹は同居していた叔母に育てられました。
母に抱きしめられた記憶はない。
母にたたかれた記憶はありますが。
そして母は兄を溺愛してきました。
私にくれたものを、兄が欲しがれば、とりあげて渡していました。
兄が欲しいというものはなんでも買い与えていました。
長男だから後継ぎだから、しょうがないよねといつも妹と話していました。
そして父は妹を溺愛していた。
私にかくれて妹とでかけたり、妹に欲しいものを買ってあげていたのを知っています。
小さい頃からずっとさびしかった。
私はいらない子供だったんだとずっと思っていた。
それが60歳になる今まで引きづっていたことに気がついていました。
私は愛されていなかったし、子供を産む時も、夫と別れたいと実家に帰った時も母は受け入れてくれなかったのです。
私には帰る実家も頼れる身内もいないのだと思い、絶望的な中を這い上がってきました。
母をゆるしていなかった。
そんな母の介護に協力するものかって思っていました。
でも気持ちが重いままなのです。
神様に祈りました。
母をゆるしなさいという答えがきたとたん、母のあわれな姿を思い出しました。
87歳認知症母は入院する時に、やせ細った手で私の手を握り、おうち帰りたいおうち帰りたいと言ったのです。
それを思い出し涙があふれてきました。
帰るおうちなんてないのに。
おうちってどこ?
サ高住のこと?
その姿を思い出しながら、母もまた自営業の妻として苦労の多い人生を歩んできたのだと思えてきた。
母をゆるそうと決めたら涙があふれて、それとともに心の中の重いものが消えていました。
人をゆるさない気持ちって、すごく重くて持っていると苦しいものです。
重いものやっと手放せました。