二年前に、生活保護の申請をしました。
その時のことを書きます。
二年前の3月に家を出た時に、一番力になってくれたのは児童相談所のAさんでした。
Aさんに何度も、相談にのってもらっていたのですが、子供のために逃げる勇気をもっての
一言が、私に勇気を与えてくれました。
その時に、やっていく勇気もお金もなかったのですが、Aさんは、お金はなんとかなる、行政がなんとかしてくれるかもしれない、だめかもしれないけれど、生活保護の申請に行ってみてはと言われました。
それで、市役所の中にある生活福祉課に、電話をしてみました。
年配の男性が出て、いろいろと話しを聞いてくれました。
簡単に受けれる制度ではないこと、説明され、とにかく相談に来てみては?と言われました。
児童相談所のAさんが、同行してくれました。
市役所の一番奥の窓口は、電気も暗く、空気も重たい感じがしました。
カウンターの席が5個くらいあり、その席は全部埋まっていました。
電話で予約をしていたので、すぐに名前を呼ばれました。
児童相談所のAさん(女性)が、私目線ではなく、子供を守るために生活保護の申請をしたいと、一緒に訴えてくれました。
家を飛び出したばかりで、不安で不安で仕方のない時でした。
そこで、まだDV被害の話をいろいろ聞かれ、自然と涙がこぼれました。
水際作戦ってご存知でしょうか?
生活保護の申請の窓口では、まず申請をさせないように説得します。
それを水際作戦というそうです。
頼れる親戚はいないのか?
仕事をもっとすればいいのでは?
保険は?
財産は?
貯金は?
車は?
年金は?
兄弟は何をしているのか?
とにかく根掘り葉掘り聞かれます。
そこで、車をもっている
保険に入っている
貯金がゼロではないこと。
これが一つでもあれば、そこで追い返されます。
申請さえもできません。
あたり前ですよね。
国民の血税を、使うわけですから・・・
私はいろいろ聞かれ、とてもみじめな気持ちになったし、もういいですという気持ちにもなりました。
Aさんが一緒にいなかったら、あきらめて帰ってしまったと思います。
生活保護申請の水際作戦で、申請さえもできないということで、
弁護士を連れていく人もいるそうです。
Aさんが、小さい声で、息子さんのためにがんばれ、引き下がったらだめといってくれました。
DVモラハラで逃げた母子家庭の方は、生活保護を受けることができる確率は高いです。
普通、DVモラハラ被害者は、警察に通報、シェルターに入る、知らない土地に引っ越す、生活が安定するまで
生活保護を受けるの順番で行われます。
生活保護を受けながら、仕事を探し、自立して生活ができるようになったら保護打ち切りというパターンが多いようです。
でも、中には、仕事も探さず、生活保護を受け続ける人もいるそうです。
ようするに働かないでも入ってくるお金、不労所得で、普通に生活はできるわけですから。
その環境に甘えてしまうのだと思います。
私の場合、申請は受理されました。
いろいろな書類をそろえて提出もしました。
審査が終わるまで二週間かかりました。
収入が10万以上あること。 シェルターに入るほどの緊急性がなかったことなどをあげられ 申請は却下されました。
ショックでした。
だめかもしれないとは予想していましたが、
あ~これで昼も夜も働かなければと覚悟を決めました。
ところが、児童福祉課に行って手続きをすれば児童扶養手当がもらえるかもしれないという説明を受けました。
児童扶養手当は、離婚が成立していないともらえない制度です。
でも、DV相談、警察への通報、児童相談所での相談などで
DV被害者の事例として、別居でも認めてもらえるということでした。
満額ではないけれど、今もいただいています。
4か月に一回まとめて支給されます。
息子の学費、積立金にあてたり、そのほか生活費のたしとなり、大変たすかっています。
児童扶養手当は、あと一年で終了になります。
息子が、はれて大学生になれたとしても、お金の心配はまだまだ続きます。
どんなに大変でも、お金がなくても、
もう二度と生活保護の申請はしたくないです。