貧困の連鎖、親に捨てられた子供たち

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親に捨てられた子供たちが過ごす場所、児童養護施設。

そこには小さい子供から、高校生に至るまで、様々な年齢の子供たちがいます。
親に何らかの事情があり、育てることができなくて入所した子がほとんどです。

職場の近くに児童養護施設があり、その施設から、毎年高校生が何人かアルバイトに来ています。
そしてみんな18歳になると、アルバイトもやめ、その施設を出ていきます。
18歳までしかいられないのです。

みんなどこか、陰があるような普通の高校生とは違うなって感じました。

その中の一人、Mちゃんは高校二年の夏休みに入社したのですが、アルバイトに来た日、お昼休みにお弁当を食べていました。

「お母さんの手作り?おいしそうだね、」なんて、何も知らずに聞いてしまった私。
Mちゃんはにこっと笑っただけで、何も答えなかったことを不思議に思っていました。

そして何日かたったある日、Mちゃんは自分から告白してきました。

「私、お母さんとは暮らしていません。そこにある施設に住んでいます。」と。
私はなんと失礼な問いかけをしてしまったのだろうと、ハッとしました。

お母さんとは、半年に一回くらい会うこと、父親とは会っていないこと、そんな話を自分からしてくれました。

それからお昼休みには、よく話すようになってのですが、その施設には2歳の時に入所したということでした。

父親が酒乱で、母親に暴力をふるい、お母さんはその後、精神を病んでしまったのです。
自分では育てられないからと施設に預けたと聞きました。
その後、父親は亡くなり、母親は生活保護を受けながら一人暮らししています。

とても素直で礼儀正しい子なのですが、いつも寂しげな表情をしていました。
本当は大学に行きたかったそうですが、なくなくあきらめ就職をすることにしたそうです。

18歳になった児童養護施設を出て、お母さんと暮らすのかと思っていたのですが、自分を捨てた親を許すことはできないからと、Mちゃんも一人暮らしをすると決めたそうです。

18歳でいきなり一人暮らし、そして社会にでる。
大変だろうと思います。

世の中には、こんな大変な状況でも生きていかなければならない子もたくさんいるのです。
貧困の連鎖を断ち切るのは、並大抵のことではなく難しいと思う。

私は何もできないけれど、就職が決まったら、ごはんを食べに行こうねと話しています。

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